テーマ:短歌

短歌人11月号より その1 会員2

まだ夏がクローゼットで足踏みをしている今年は着てない浴衣     鈴掛真    クローゼットにはまだ夏物の服が掛かつてゐて、浴衣も。    この夏は、かの人と、その浴衣を着て出かける機会がなかたのだ。 朝のパンに塗るあかねさすアカシアの山田養蜂場のはちみつ     富樫由美子    「…
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「ほどける」

  ほどける 隧道をぬけるとちさき浦があり海猫の声とほくきこえる 道なかにずだぶくろ様のものありてほぐれて猫となりて去りたり つつましく速度を落とし四ツ辻に救急車両は進入したり かえらない。泣き出すちいさな背をいだき悠太のおうちへ連れてかへるよ しやくりあげやがておほきく息をつき悠太…
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短歌人10月号より その5 会員2

手から手へクラスのうさぎの赤ちゃんは一人三十秒まで抱ける     浪江まき子    マニュアル的平等の不気味。 昼ご飯夫の買いたるうなぎ飯をおいしく全部たいらげました     紺野みつえ      夫;つま       飯;めし    あつけらかんとした明るさは、替えがたい。    それだけ…
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短歌人10月号より その4 会員2

グーグルマップで猫を探す四年前の道     国東杏蜜    自由律、といふこと。    四年前の道の不自由さ。 同じ年に生まれた子供集められ黄色の帽子渡されている     相田奈緒    何だかとても不条理で、不安がただよふ。    実際は、新一年生に交通安全の黄の帽子を渡す式、みたいな…
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短歌人10月号より その3 会員2

回想に傾く夏のいちにちは不倫を肯定するにあらねど     大塚実    むむ。    過去のLove Affairを、思つてゐるのだ。 爆弾と同じ重さの子を抱きて蝉ばらばらと死せる八月     桃生苑子    何とも、壮絶なる比喩。    母であること、戦の尽きぬ世界に子どもを育んでゐる…
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短歌人10月号より その2 会員2

高熱の熱中症の急患に加はらざりしことに安堵す     伊藤千    ほんとうに佳かつた。    秋をどうぞお楽しみくださいませ。 もうみんな無くしてしまっているだろう私をとことんいじめた記憶     岩下真子    嬉しいこと、楽しいことはもちろん忘れないのだけれど、辛いこともまた、わ…
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短歌人10月号より その1 会員2

『富士日記』を読んで夜明けに家を出る車のトランク静かに閉めて     柳橋真紀子    『富士日記』を読んだことはない。    夜明けに車のトランクを静かに閉める、それだけで善い。 つかの間にすぎて行く夏あるだけの薔薇を咲かせて前髪きって     小原祥子    嗚呼。 雑踏に手…
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「小走りに」

  小走りに 縺橋わたり湯抱(ゆがかえ)温泉にいたれば茂吉記念館あり  縺橋;もつればし 丸文字のやうな太字のペンの跡色褪せてゐる茂吉の葉書 唐芋の葉に七月の日は盛る乾いたいた口にしばらくを見つ お向ひの娘さんよりこの夜頃ほうたる多しときけば見にゆく 竹藪の角をまがるとほうたるが葦のあはひ…
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短歌人9月号より その4 会員1

ミサイルの騒ぎもややに鎮まりて絹ごし豆腐に匙の添へらる     たかだ牛道    この辺りは、賛否あるのかもしれない。    もう少し現実に踏み込め。    或は、おとなの対応で好いんじやない、とか。 東大寺別院周防阿弥陀寺に君とはぐれてあぢさゐのなか     田端洋子    東大寺…
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短歌人9月号より その3 会員2

するするとタイムラインを通りゆく二分五秒の動画もわれも     高良俊礼    Facebookか何かの自分のタイムライン。    そこに「おともだち」の短い動画がアップされてゐたりする。    全部をきちんと見る訳ではない。    下の方へ繰りながら、流してゆくのだ。    ここでは、おともだち、…
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ひとつ傘に男子と女子と歩み来るうつぶきがちなる笑顔やよけれ

今日は公的な会に出席した。 その雑感を。 この時代にあつても、子育ての現場はほぼ母親一人で担い、そこには父親の影が薄いことに改めて愕然とする。 子供の前に、あるひは横にゐるのは母親であり、父親は数歩離れて立つてゐるのだ。 そういう子供の親が、まだまだが多いのだ。 …
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短歌人9月号より その2 会員2

出は福井田園地帯の外れなり町名までで手紙着く家ぞ     京藤好男    宣る、や佳し。 提灯は明るくなくちやいけないよ文世さんから教へてもらふ     いなだ豆乃助    文世さん素敵。    その文世さんをこうして歌にする作者もすてき。 できたてのピラフの海老が透き通るネ…
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