「ふるへて」

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  ふるへて

冬空の青をうつせる川の面にさざなみたちてあんな言ひぐさ

通りにはぐだぐだの雪残りゐてプリウスもつとゆつくりおゆき

会へなくても近くの町にゐるだけで嬉しくなるね友は言ひたり

初めてのショートステイにパンプスを靴箱より出す九十五歳

凝りたる肩をもみもみ蛞蝓を見てゐるあんたのおうちはどこよ

馬鹿馬鹿しいほどに緑だ、ブロッコリーかために茹でてぽりぽりかじる

ともかくも韃靼蕎麦茶は芳ばしい海峡を渡る夢はもたずも

夕暮れはこころをひもじくさせるのか今日はご飯は無いかと義母は

耳の圧あがり鼓膜のいち枚にうすく外界とへだてられたり

中指の付け根にひつかき傷がある 異性愛者として生きてきた





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