短歌人3月号より その3 会員2

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べからずと子に諭されし一人旅しからば望まむ公募のクルーズ     那須京子

   若い頃から一人旅をしてこられたのでせう。
   しからば、がいいなぁ。わたしもピースボートで一人旅をしたい!


年の瀬は猫の手さえも借りたくて「OKグーグル」窓拭きしてよ     五十嵐真希

   流行りのスピーカー型の端末機器らしい。
   ついでに、うちの洗濯物を干しといて。


吾の知らぬ夫の顔なりヘルパーにハイタッチして車を降りる     並木文子

   ハグはまだまだ普及してないけど、ハイタッチは気軽にできる。
   気持ちも若返るし、なにより触れ合ふとたのしい。


出願日入試日合格発表日、入学金の納入期限日     清郷はしる

   入試にまつわる日程を並べて、本人はもちろん、親の気持ちも諸々に沁みて来る。
   読点でひと呼吸おいて、下句「入学金の納入期限日」となつてゐるところ、ここは親の思ひ。


胸元で眠る子どもにパン屑の雨を降らせて昼餉を終へる     桃生苑子

   赤ん坊はスリングにくるまれてママの胸に抱かれてゐる。
   ママは赤ん坊がぐづらないように、スリングの中に子どもを抱いたままパンをたべてゐる。


へやの隅まるく眠りし蛇もいて室津の冬は遠きまぼろし     田中佐智子

   家に棲みつく蛇は、大事にされてゐた。





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