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zoom RSS 短歌人誌 四月号より その2 会員2

<<   作成日時 : 2017/04/05 20:30   >>

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奥の間の古い箪笥を開けたとき微かな匂ひを覚えておいて     安野文麿

   開けたとき、と、覚えておいて、との間の、微妙な時間の歪みが面白い。
   怖い。


母宛てに届きし賀状八枚を読み聞かせをりおほきこゑにて     鶴羽一仁

   母の住む施設へあべかは餅を携へてゆく作者。
   母は帰り際に「ごちそうさん」と頭をさげる。


うわごとのもつれて眠る詩の上のやすらかなやすらかな春の雪     高良俊礼

   調べとりずむと言葉のつらなりが美しい詩をつくりだす。  


冬晴れの空に赤白だんだらのクレーンが伸びるクレーンが曲がる     吉田郁子

   四句までは誰しも眺める風景が、結句でやをらアクティブとなる。
   生きて動き出す。


白ばらをあわてて赤く塗る場面不思議の国のアリスにありき     富樫由美子

   お話の一場面を述べただけでのやうに見えて、ここには作者のみずみずしさが息づいてゐる。


蓬餅おくられて来るほどほどに負けて気怠いきさらぎの午後     小原祥子

   先の冨樫由美子さんに同じく、好きな作者です。
   ほどほどに負ける、といふ作者の心もちが、沁みる。
   蓬餅の取り合わせがいかにも。





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