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zoom RSS 短歌人誌 四月号より その1 会員2

<<   作成日時 : 2017/04/02 21:33   >>

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天狼の夜を帰り来て手袋の革のにほひの残るてのひら     桐江襟子

   天狼星、シリウス、冬空に明るい星だそうです。
   その天狼星の下、家に帰り着き、革の手袋を脱ぐ。
   皮膚の上に被せてあつた、自分ではない生き物の皮膚を脱ぐ。
   夜のにほひと革の、あえかなるにほひ。


琉球の玻璃のグラスに芹の根が芽吹きそめたり正月五日     古川陽子

   琉球硝子は、雑多な硝子製品を溶かし再生したことから始まつたらしい。
   民芸陶器の趣きか。
   そこに芹の根が、葉ではなく根が芽吹きそめたのです。
   正月五日、が生きてゐる。


つやつやの文旦届くこの色はむかし好きではなかつた色だ   柊慧

   土佐文旦は、グレープフルーツほどの、薄い黄色の果皮をもつ柑橘です。
   作者にとつてこの黄色、どのやうな意味合ひがあるのでせうか。
   下の句のぶつきらぼうな物言ひに、物語が。


自販機のいちばん明るい時間帯100円だからネクターにする     浪江まき子

   言つてゐることは実も蓋もないんだけれど、この作者にはきつと、身も蓋もあるに違ひない。


干し柿を食べはじめればタネ多きなんと七つもあつたのである     西尾正美

   こちらの歌も、なあんにも言つてないやうだけれど、これを一首にした作者のヒューモアが好きだ。


熱いでて食欲なきまま臥せおりぬもの食べぬ身は安らかなりて     豊田薫子

   生き物は日々食物を摂取し排泄して生きてゐる。
   食欲といふ欲を離れた時の人間の体は、まこと安らかであり清らか。
   断食をしたことはないのだけれど。











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