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help リーダーに追加 RSS 『饒舌はカンパニュラの花』

<<   作成日時 : 2008/06/24 20:28   >>

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「くもさん」の第一歌集を頂戴した。

と言ふか、わたしからお願ひした、と言つたほうが正確です。
くもさんには、ブログにアップする私の歌に再々評をいただいてをります。
お会いしたことはありませんが、不可思議なるweb世界の歌の先輩、です。
あ、年齢は私よりお若いのです。

鑑賞は苦手なわたしのこと、何時もの伝で好きな歌を幾首か書き出します。


  『饒舌はカンパニュラの花』

かまわないきみが無口になってゆくこと 見上げれば星 空に撒かれて

公孫樹の葉かさなる舗道を蹴り散らしくるっと振り向く 何が言いたい

「熱があるの」なんてぬけぬけ花柄の電話の前ですましてるさ きっと

春の夜、ふりきる腕をつかまえる 香りするどく撒かれて。薔薇

さみどりにおもてさんどう パンドラの箱を抱えた少女は走る

春の夜ペーパーぬきとるさびしくて秘密工作部員の私

大きめのいちごに触れるくちびるにおもいあたればきみだってことを

先生を怒らせちゃってさ 靴下の中で親指動かしてるね

自転車におまえをのせるゆうぐれは解体新書のむねのふくらみ

きっといまの風に打たれたからだろうおもわず両手でおさえているのは

読み終えしレイモンドチャンドラー 妻や子が標本のようにねむる三月

「もっと速く」とふいに目醒めてせがむ、うん、ぼくらは光の粒子になろう

はしゃぐなよ 枕もシーツもけとばしておれはそれほどふざけていない

午前二時 内耳の海を軸にしてわたしはしずかにまわりはじめた

君のカタチ思い描けばさみしくて動物学的思考に耽る

饒舌はカンパニュラの花 むすびめがほどけずにいる淡き春の夜

やあねってたたくその手の弾みかた おれにだってあるやわらなか部分




私が、青春期に短歌に出遭つてゐたなら、このやうな率直で優しい歌をつくれただらうか。
いえ、たぶん、私は今この年代に出逢えたからこそ、短歌をはじめられたのだらう。

くもさん、ありがとうございました。




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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
歌を読んでいると 自分自身に思い当たることばかり
若かりしとき 恥ずかしきことも今となっては思い出のかなたにいってしまった。

昔があって今があるんだもんね

俺だって動物だもの 動かなくっちゃあ 
最近は感受性が乏しくなって 惰性に流されているように思われます。



毎日惰性に流されて 
nore
2008/06/25 08:04
くもさんのコメントでいつも勉強させていただいております。

強く惹かれるお歌がたくさんありました。
文さん,ご紹介くださって,どうもありがとうございました!
りりん
2008/06/25 09:23
☆noreさん
この歌たちの頃の私、まだまだエネルギーが制御できなくて、好奇心もあって、でも畏れもいっぱい持っていて、支離滅裂で、一生懸命で、、、
神様があの時代に帰してくれる、と言っても、ちょっと考えてしまう。

今は…、

noreさんは大丈夫、あんな素敵な詩がかけるんだもの(^_^)

☆りりんさん
コメントくださって、ありがとう。
くもさん、不思議な方です。

ブログを書くようになって、この夏で三年になるのですが、大勢のまだお会いしたことのない歌の先輩達と知り合うことができました。
うれしい。

2008/06/25 10:05
文さんありがとうございました。

10年以上もまえのものですから、
まだ、「甘い」つくりですね。
いまでも「甘い」かもしれないけど。
くも
2008/06/25 19:52
あ、
「かまわい・・」と「きっといまの」は
NHK短歌で放送されたものです。
お目が高い!
くも 2
2008/06/25 19:53
☆くもさん
お褒めに預かり…、って、「きっといまの」はテキーラさんとこで、岡井隆選、って、読んでましたから(^_-)b

レトリック的に高度な歌でも、心に響かない歌はいくらもあります。あ、わたしの心に。
年数を重ねるごとにうまくはなるかもしれないけれど、詠いたい、伝えたい、読んで貰いたい…、そういう情動が伝わる歌、そういう歌を作り続けられたら幸せでしょうね、きっと。
はぁ、はるかだなぁ。
干乾びないようにがんばります A^_^;)

2008/06/25 21:36
くもさんのお歌、こんなにたくさん拝見できて嬉しいです(^^)文さん、ありがとうございます〜。
何気ない仕草や、日常の一瞬を切り取る鋭さが素敵だなあ、としみじみ思いました。
真柴みこと
2008/06/26 15:04
☆真柴みことさん
若かりし日のくもさんを、ちょっと想像してしまいます。ほんとうはそんな読み方はいけないんでしょうけれど(^^ゞ
一番のお気に入りは、

>自転車におまえをのせるゆうぐれは解体新書のむねのふくらみ

2008/06/26 19:32

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