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help リーダーに追加 RSS 『短歌人』 2008-6 会員2欄 わたしの好きな歌

<<   作成日時 : 2008/06/17 22:05   >>

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空想にふけっている方が楽しい真実を真実として認しきできる 篠塚京子

解剖は水平に置かれ解体は吊るされてゆく死の重量に   服部文子

電動のママチャリ漕げど若きらに追い越されてくああ春なのに  竹花サラ

眼球の露出部分からわたくしはぱさぱさの存在となりゆく   本田鈴雨

スキップのやうに階段鳴らし来るは青年に非ず少年でも無い   森敏子

咲きそよぐさくら思えば小夜ふけて吾に生え来る紅きくちばし 佐山みはる

沸かすために湯を沸かしつつ読むために本を読みをり近代の春  斎藤寛
生意気な青年のまま死ぬ権利失ひしより続く沼棲み

曲がるもの折れたるものは除かれて束ねられたる松葉独活   田中曄子
蜜壷に無数のストロー差し込まれ天下り来しくちびるが吸ふ

だうやつてもレジ袋よりでる長葱の緑青の葉の三本ばかり   吉岡馨
春雨のふる家ぬちに少女ゐてしくしく髪をゆびに巻きたり   

黒い服を着ている友の顔を見てぷらんくとんを思い出してる   尾方裕

ゆつたりと春の運河は夕暮れて渡船「久保丸」繋がれてある 小野さよ子

なぜ此処に居るのか変に思ひつつ自分を小さく小さくしてゆく 
                                    長谷川知哲

子どもらの名前はずしてちっぽけな表札にする 鳥たちよこよ  後藤祐子

淡路町トプカによりてインド風ムルギーカリー食ふ秋日和   針谷哲純

亡き祖母が琴電の駅瓦町に買いてくれたるふかしたおいも  木戸真一郎




   転記間違ひ・誤字等ありましたら、作者の皆様、申し訳ありません。
   お手数ですが、お知らせいただければ訂正いたします。




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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
文さん
 おはようございます。

 咲きそよぐさくら思えば小夜ふけて吾に生え来る紅きくちばし

 なぜ此処に居るのか変に思ひつつ自分を小さく小さくしてゆく

この二首が好きですね。
佐山さんの…紅きくちばしがなんだか艶っぽいなぁ。
知哲さんの…「なぜ此所に居るのか」はひとが戻ってゆくところ…。

やねうらねこ
2008/06/18 07:18
☆やねうらねこさん
おはようございます。

佐山みはるさん、リアルな空間に時折シュールなものが挟み込まれて、それでもやはりリアルで、すごいですね。

長谷川知哲さん、ごく平明な歌い口なのですが、こころに残り続ける、哲学的なものがあるような気がします。

お二人とも、ご自分の歌世界をもっていらっしゃる。

2008/06/18 08:34

ご無沙汰しています。

 なぜ此処に居るのか変に思ひつつ自分を小さく小さくしてゆく

私もこの歌が好きです。
変に気取ったところや細工がない。
でも生きていることをしっかりと感じ取ることができます。
忙しい生活の中で、誰でもフッとこんな気持ちになることがあります。
ここからどう自分を立て直してゆくかーーー
一歩間違えば、秋葉原の犯人のようにもなりかねない。
そんな恐ろしさも感じられる歌だと思います。
マイブログに紹介、感想を載せましたが、棚田浩一郎氏の「現代短歌の視点」はもうお読みになりましたか?
未だでしたら、是非ご一読をお薦めします。
七十路淑美
2008/06/18 10:56
☆七十路淑美さん
こちらこそご無沙汰しています。

この歌、いろんな方のこころに響いている様子、私はこの歌人のファンなので、嬉しい限りです♪

棚田さんについて書かれた記事、読ませていただきました。コメントを残さず失礼しています。
私も、日々歌を作るということについて、考えながら詠んでいますが、けっきょくは如何に生きるかなのかなぁ、などと迷いつつ、悩みつつ…
ご紹介、ありがとうございました。

2008/06/18 12:36
拙詠をとりあげていただき、ありがとうございます。

みはるさんの歌、私も好きで先日みはるさんのブログにコメント入れさせていただいたところでした。

知哲さんの歌、こういう感覚に陥ることってありますよね、かなり共感しました。
その感覚を歌に変換できること、さすがだなぁと・・・

そういう思いを、いつもみなさまに抱いているばかりです。。
鈴雨
2008/06/18 17:11
☆鈴雨さん
こちらこそ、良い歌に出会えて、嬉しい!
この歌、ちょっと衝撃でした。
きちんと身体感覚が捉えられていて、リアルであるのに、すごくシュールでもあり、今月号の中では、一番好きな歌です。
会員2欄、恐るべし、です。

こうして、様々な歌を毎月読めること、嬉しいことです。それが一番の刺激であり、勉強であると。
自分の感覚を如何に言葉に表現できるか…、めったに無いことだけど、それができた時、そして、そんな歌に出会えたとき、快感です(^_-)b

2008/06/18 20:35
・眼球の露出部分からわたくしはぱさぱさの存在となりゆく

一番インパクトがあります!

・亡き祖母が琴電の駅瓦町に買いてくれたるふかしたおいも

郷愁!

深夜の嫌われ者より




阿南龍子
2008/06/20 01:04
☆阿南龍子さん
>…ぱさぱさの存在となりゆく
わたしも、この歌が一番印象に残っています。
「眼球」「露出」「部分」、どれも歌語としては叙情的とはいえない語ですけれど、確かな存在感のある語で、迫ってきました。
シュールであり、かつリアル。

>亡き祖母が琴電の駅瓦町に…
「琴電の駅瓦町」という生活に根ざした場所の名前がまず心惹かれますし、なにより「ふかしたおいも」という語感が時代を引き戻してくれます。上句の漢字の多さと結句のひらがなのやわらかさの対照がより祖母への思いをきわだたせて。

わたしのとくに好きな歌ニ首を採り上げていただけて、ありがとうございます。

2008/06/20 09:49

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